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2007年6月28日 (木)

謎の特効薬(2)

道中は、かなり暑い思いもしまいたが、とりあえず無事目的地に到着。薬の効果はばっちりでした。副作用もほとんどなく、本人もびっくりするくらい効き目がありました。

帰りにも、きちんと服用して、全く車酔いすることなく、解散となりました。解散場所で、彼女が尋ねてきました、

薬の名前を教えて欲しい。この薬があれば、車に乗ることに何の不安もない。今まで、こんなに効き目があった薬は初めてだと。

そこで、私はポケットから、黄色い錠剤の詰まった、小さな薬瓶を取り出すと、彼女に手渡しました。

「何これ?ビタミン剤じゃない。冗談はやめて。意地悪しないで教えてよ~。」

「君が飲んだのは、正真正銘ビタミン剤さ。酔い止めでもなんでもない。」

最初は、全く信用しませんでしたが、私の話を聞くうちに、彼女も納得していきました。これは、医学用語でいうプラシーボ(プラセボ)効果と呼ばれるものです。専門的にも意見は分かれるところですが、思い込みによる病には効果は十分あると、私は思います。

小さな子供は、よく車に酔います。これは、まだ内耳が成長過程にあるため、三半規管の働きが甘く、長時間車に乗ると、酔ってしまうのです。それと、体が小さいために、外の景色がよく見えないので、車内ばかりを見てしまうことも原因の一つです。しかし、年齢と共に、自然に車酔いも克服されていくのですが、普段からあまり車に乗る機会が少ない子供が、そのまま成長してしまうと、「車に乗ると酔う」という暗示にとらわれてしまいます。いくら、自分で大丈夫だと思いこんでも、意識の片隅にある不安が、当時の記憶を呼び覚まし、実際は車酔いしていないのに、気分が悪くなることがあります。

人間の体は、意識に大きく左右されます。たとえば、梅干しを思い出しただけで、口の中に唾がたまってきて、なんだか酸っぱい感じがしたりするものです。彼女の場合も、同様に、車に乗ると、吐いた時の記憶が呼び起こされて、その記憶だけで気分が悪くなることが、繰り返されていたものと思われます。

すでにかかってしまっている暗示を解くには、新たな暗示をかける必要があります。しかし、そこで注意しなければならないのは、一方的に都合のよい内容では、100%の信用は得られません。数%でも、疑心があるとなかなか暗示はかかりません。元の暗示から気をそらす必要があります。そこで、この薬には副作用があると言ったのです。言われた本人は、車に酔うことよりも、トイレに行きたくなることや、寒気がすることに気を奪われて、本来の車酔いの事にまで気がまわりません。しかも、トイレ休憩と称して、たびたび車を止めて、休息を取ったり、冷房を止めて外気をそのまま車内に入れることで、気分を落ち着かせたりしていましたので、さらに効果は上がったというわけです。

優秀なスポーツ選手などは、試合前にイメージトレーニングを必ずやります。これも、一種の自己暗示効果を狙ったものです。

明日は、この暗示について、もう少し心理学的にお話していきたいと思います。(*^^)v

2007年6月26日 (火)

謎の特効薬(1)

学生時代に、いつもいっしょに遊んでいる、男女仲良し5人組があった。居酒屋に飲みに行ったり、海水浴やお祭り、いろいろと、つるんで遊んでいました。ただ、一つだけ問題がありました。それは、グループの中の一人の女の子が、異常に車酔いすることでした。30分以上、車に乗っているとだめ。見る見る青ざめてきて、ゲロゲロやりはじめちゃうのです。ですから、遠距離ドライブや旅行は御法度でした。

ある年の夏休み。隣県に新しいレジャー施設がオープンして、みんな行きたがっておりました。ただ、問題なのは、道中が車で片道約3時間かかることでした。すると、その車酔いする女の子が、「私はいいから、みんないっといでよ。」と言いだしました。みんな、どうするか迷っておりましたので、私が「なんとかなるよ、みんなで行こう。集合場所には必ず全員で集まること。」そういって、約束を交わしました。

出発の当日、例の女の子も、ちゃんと来てくれて、まずは一安心。他の友達が私に耳打ちします。

「本当に大丈夫かよ?車酔いで3時間は地獄だぞ。しかも、帰りもあるし。」

「まあ、まかせとけって。たぶん、うまくいくはずさ。特効薬持ってきたから。」

他のみんなも、楽しさ半分、不安が半分といった感じでした。

「一応、朝ごはん食べないで来たよ。また、吐いちゃうと、みんなに迷惑かけるし。もし、どうしてもダメなときは、降ろしてくれていいよ。帰りにまた拾ってくれればいいから。降りた場所で待ってるから・・・。」

おっと、いきなりネガティブな発言が。そこで、私はすかさず、

「それは、まずいな。実は、医療用の特別な酔い止めを、医学部の先輩に頼みこんで横流ししてもらったんだけど、副作用も強くてね。しかも、絶対空腹時に飲用しないことって言われてるんだ。まずはみんなで、いつもの喫茶店にモーニング食いに行こうぜ。」

そう言って、元気よく朝食を取ることになりました。

食事をとったら、いざ出陣。私は薬を彼女に渡しながら、皆に言いました、

「この薬は、特別な薬で、普通は市販されてないものなんだって。患者さんを病院から病院に移送する際に、車に弱い人に特別に飲ませる薬らしいよ。本当は、お医者さんの許可がないと飲ませられない薬なんだけど、特別に内緒でもらってきた。ただし、副作用も強くて、車には酔わない代わりに、頻繁にトイレに行きたくなることがあるんだって。もちろん、個人差はあるらしいけど。だから、トイレに行きたくなったら、我慢せずに、すぐに言ってね。ドライバーは常に、トイレ休憩を考えながら、45分ごとに止まること。それと、体温が下がって寒気を感じることがあるらしいから、車内の冷房は切るね。みんな暑いかもしれないけど、頑張ろう。一人だけが苦しい思いをするんじゃなくて、みんなでいっしょに乗り切ろう。」

そして、彼女が薬を飲んだのを確認して、さあ出発進行~~!

明日につづく (*^^)v

2007年4月10日 (火)

つれづれなるままに・・・

徒然なるままに日くらし、硯にむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。  吉田兼好の『徒然草』の冒頭ですが、今日はそんな雰囲気で、お送りします。

上記の日本語訳として「ムラムラと発情した気持ちを抑えられないままに硯とにらめっこしながら、心の中を通り過ぎてゆくどうしようもないことをうだうだと書き残しているうちに、なんとなく変な気持ちになってしまった。」と記しているホームページがありました^^; こう書くとなんだか怪しい感じがしますが。参照(徒然草 吾妻利秋訳

まず、今日は我が家の愛犬「花子」の撮れたてスナップを・・・

Photo_2 Photo_3 Photo_4 4歳になるダックスフンドです。デブりすぎたので、昨日からダイエットを開始しました。本人(犬)は、かなり不満そうです。

では、本題に。昨日の話からの展開となりますが、実は私 26歳くらいの頃に、過労で倒れたことがありまして。40度近い熱が10日間ほど続き、発熱して最初の3日は、仕事が立て込んでいたために、解熱剤を飲んで出勤しておりました。ただの風邪だと思っていたのですが、4日目くらいに限界を感じて病院へ。すると、いきなり即入院。当時大阪で働いていたのですが、愛媛にいる両親に連絡が行き、翌日飛んでくる騒ぎとなりました。そこで両親と共に告げられた病名が「血球貪食症候群」という聞いたことのない病名でした。

先生いわく 「この際ですからはっきり申し上げますが、非常に致死率の高い病気です。発病して5人中2人は亡くなります。お亡くなりになるケースの場合、もってあと3日です。」

え?3日! 3年とか3か月とかじゃなくて 3日って・・・そこで聞きました

「あの~明日から3日ですか?それとも今日がすでに1日めですか?」

「今日が1日目です。」

具合が悪いとは言え、意識もはっきりしていますし、動くこともできるわけで、この状態で時間にしてあと60時間くらいで死ぬと言われても、なかなか実感は湧かないものです。話によると、私の骨髄が白血球を製造していないとのことで、白血球数がガンガン減りまくっているのだそうです。当然、免疫力が激減し、最後には空気中のありとあらゆる病原菌(通常の免疫力ならば感染しない)によって、死に至るそうです。要は、骨髄が白血球の製造を再開するか、しないかがポイントで、投薬でどうこうできる問題ではないとのこと。

まさに、生きるも死ぬも自分次第・・・ってことでやんす。

病室に戻って、いろいろ考えましたが、大泣きしたり、悲観して取り乱したりはしませんでした。不思議なくらい冷静でした。3日目にアウトということは、おそらく3日目には意識不明の重体状態になるだろうから、自分の残された時間は、今日の12時間と明日の24時間ってことかな~。動けるといっても、40度近い熱は下がらないし、外出なんて無理だし、打つ手なしってとこだな~。じたばたしても始まらないので、病棟の喫煙室に行って、外を眺めながらタバコを一服。

「長いようで、短い人生だったな~。結婚もまだなんだけど、逆に悲しませる家族が少なくて済むというのは、かえってよかったのかもな~。まあ、そんなに心残りもないんだけど、あれが謎のままっていうのは、気になるよな~。よし、せめてあの謎だけでも解いて死のう。」

両親に頼んで、あるものを買ってきてもらいました。それは・・・・・・『大学入試のための やさしい物理』という受験参考書でした。入試の際に、物理が苦手で、他の科目で得点を稼いで、苦手な物理の点数をカバーする手法をとっておりました。入学後や、社会人になってしまうと、もちろん物理学など必要なはずはなく、意味不明な科目のまま時が流れておりました。それが、気になってしかたがなくなっていたのです。

本を読み進めていくと、不思議なくらい理解できました。よく、「死ぬ気でやれ!」なんて言いますが、すでに死ぬ気は十分なわけですから、ものすごい集中力です。1年かかかっても、意味不明だった内容が、数時間で「な~るほど。そういうことだったのか~。」とわかってしまうんですね、不思議ですよね~^^;

まあ、そんなお気楽な性格が幸いしたのか、無事に死の淵から生還しました。病院の先生も、「よく助かりましたね~。だめだと思ってたんですが。」と、オイオイ!と突っ込みを入れたくなるようなやさしいお言葉をかけてくださいました。

ちなみに、生還したとたんに、不思議とわかっていたはずの物理が、またわからなくなりました。永遠の謎なのかもしれません。また、死にそうになったら勉強しなおします(*^^)v