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2007年4月24日 (火)

不良学生との集い(4)

人が生まれ持っているエネルギーは、ほぼ同等だと考えます。まあ、中には天才的な人もおりますが、これは例外として・・・。あとは、そのエネルギーをどういった方向に、放出するかで他人の評価が変わってきます。あくまでも、他人の評価ですから、自分の信じる道を突き進むというのも、ありなんでしょうが、我々が一つの社会の中で生活している限り、他人の評価を無視することは難しい事です。裁判での有罪判決・・・これも他人の評価の一つです。

不良学生の彼らは、そのエネルギーをどこに放出したらよいか、暗中模索の状態なのです。人は誰しも、自分が所属する小さな社会において、自分の存在意義を意識します。その存在が、否定されると結果的に本人にとっても、その周囲にいる人にも悲しい結末となります。奇妙キテレツな風貌をするのも、ひとつの存在アピールなわけで、別の場所にきちんと居場所を作ってやれば、意外に元に戻ったりします。

中学校の数学は、中2までのレベルであれば、小学校の算数の能力で解くことが可能です。逆に言うと、小学校で学習する算数は、思っている以上に高度なことをやっているわけです。小・中の違いは、解き方にあるだけで、問題の質は変わりません。

テストの結果は、残念ながら100点はおりませんでした。しかし、さすがに中学生ですから80点や90点がほとんど。これが、彼らにとってうまい具合に刺激となりました。今まではテストとなると、10点とか15点しか取れなかったのが、思わぬ高得点となったため、

「先生!もう1枚やらして。今度こそ100点取っちゃる。」

小4のテストである、なんて事は些細な事です。基礎はここから始まるのです。彼らはこのペースで小4・小5・小6・・・と毎回授業の度にステップアップしていきました。教室内での座席も、最前列に5人が横並びという状況に自然となっていきました。そして数ヵ月後・・・学校でドンケツ争いをしていた子供たちが、数学に限ってのことではありますが、学年順位が真ん中より上になりました。本人たちも大喜びです。何かに自信を持つと、人は変わっていきます。

残念だったのは、頭の色が自然に黒に戻ってしまった事です。まっ金金のままトップを目指して欲しかったのですが、まあこれも自然の成り行きでしょうか。結果的に彼らは通常のクラスに編入されなおされました。(*^^)v

2007年4月23日 (月)

不良学生との集い(3)

昔の不良は、長ラン特攻服にボンタン(すその長い学生服とダブダブのズボン)だったのが、短ランになったり、やたら又下の短いズボンになったりと、流行で変化するようですが、眉毛を剃り落としたり、こめかみを剃りこんだりというのは、いつの時代も同じようで、これは、むか~し昔、歌舞伎役者が表情を端緒に現わすためにやったことだそうで、ある意味では、日本の伝統芸能を守り継いでいるのかもしれませんね^^;

では、前回からの続きとなります。

頭を金髪にしても何も言われなくなる方法・・・。

「まず、なんで頭が金髪やと怒られるか考えてみ。これは、頭がまっ金金の奴が、学校でアホなことばっかりするからじゃ。しかも成績もほとんどアホレベル。スポーツに打ち込むでもなく、金髪でうろつくだけ。やから、金髪=アホ と思われるんよ。ほんとうに金髪=アホやったら、アメリカとかアホの巣窟の国っちゅうことやぞ。」

「僕ら、なんもしとらんのに、学校の先生は、いきなり怒鳴り散らしたりするやろ。むかつくんよ。」

「それは、お前らの先輩がアホやったから、同類に思われるんよ。お前ら自身で変えていけばええやないか。たとえば、お前らが勉強で常にトップクラスを維持しとってみい、頭ええやつは皆金髪とかになってきたら、校則も変わるわい。」

なんとなく言いたいことは伝わり始めたのか、話も聞くし、意見も述べるようになってきました。会話が成立し始めた証拠です。

「成績トップ?ぜったいムリムリ。それに勉強おもろないもん。」

「お前らは、自分の能力に気がついとらんだけよ。頭金髪にした時点ですでに、お前らはものすごい事を成し遂げとるんぞ。頭金色にする勇気をもっとる奴は、そうおらんよ。」

生徒の中に、プロ野球マニアの子がいたので聞いてみました、

「打席に3回立ちました。そのうちヒットは1本です。打率はいくら?」

「3割3分3厘」 即答で返って来ました。

「じゃあ、トータル12打席立って、3本ヒットなら?」

「ちょい待ってな・・・・・・・え~と2割5分」

その生徒は、ちゃんとノートの端に計算しておりました。

「じゃあ、ここに赤い玉が9個あります。そこに白い球を3個入れました。白い球は全体の何%でしょう?」

これも即答で返ってきました 「それは、わからんよ先生。」

「安心しろ。お前らはやればできるよ。ただ、何をどうやったらいいかが、まだわかっとらんだけよ。じゃあ、そろそろ盛り上がってきたところで、いきなりやがテストでもやるかの。」

持ってきていた、テストの束を机に広げたとたん、生徒達から落胆のため息がもれました。まずは、ここからスタートと、事前に準備していたプリントです。

「このテストで、100点取れたら、今日は帰ってよし。」

テストで100点と聞いたとたんに、彼らは絶望的な顔つきになりました。がんばっても10点そこそこしか取れない彼らですから、それも当然でしょう。

「そう、落ち込むな。ちなみにこのテストは、小学校4年生の算数のテストじゃ。」

そう聞いたとたんに、彼らの目の色が変わりました。

「4年生~。100点でほんとに帰ってもええの?あとで、やっぱりダメは無しやで~。」

「先生は嘘は言わん。」

そして、机にかじりつくようにして、5人はテストにのぞみました。やる気マンマンのその姿勢を見て、明るい兆しが垣間見えたような気がしていました。明日につづく・・・(*^^)v 

2007年4月21日 (土)

不良学生との集い(2)

授業初日。教室に一歩足を踏み入れて、思わずのけぞりそうになったのは、強烈な刺激臭でした。男性用のヘアトニックと女性の化粧の臭いが入り混じって、鼻を刺すような臭いが充満しておりました。

生徒5人は、中一男子3名 中二女子1名 中三女子1名の5人です。学年も学校もばらばらですが、学力のほどは同等です。お互いが知らぬ者同士のせいか、互いに牽制し合っていて、教室内は静かなものでした。

まずは、教壇に上がり、机の前に腰かけて、全体を見回してみました。教室の隅っこに隠れるように各人がバラバラに座り、髪をなでつけたり、コンパクトを出して化粧してたり、まあ想像したとおりの状況でした。正直何から手を付けるか、このときもまだ自分では決めかねていました。しばらくぼんやりと生徒たちを見回していると、女生徒の一人が、

「せんせ~勉強せんの~?」とまったくやる気のない声で問いかけてきました。

「あ~まあ、そんなにあせらんでも 今日はのんびりやる。その気になったら勉強でもすればいい。」何も考えずに、正直思ったままを口にしていました。すると、男の子が

「勉強せんのやったら、外に遊びに行ってもええ?終わる頃には戻ってくる。」

相手も、正直な答えを返してきました。戻ってくる・・・てのが、まだかわいいですが^^;

「だ~め~。時間までは教室から一歩も外には出さん。その代り、まあ いろいろ話そうや。」 まずは、お互いを知ることから入ることにしました。広い教室の隅っこにバラバラに座っている状態では、話しにくい面もあったのですが、前に来ることは強要しませんでした。私のことが気に入れば、自然と前に近づいてくるはずです。授業をするたびに、少しずつでも、教壇に近い席に座ってくれるようになればいいし、ある意味それが、ひとつのバロメーターになるな、と考えておりました。

「野郎3人は、3人とも頭 まっ金金やな~。先生が中学の頃は全員坊主頭やったから、髪を染めるなんて事は、考えもせんかったの~。それが今の流行りか?」

髪を染めていることを注意するような口調ではなく、珍しいものを見て思わず聞いてみたといった感じで、声をかけてみました。当然の如く、学校ではかなりそのことに対して注意を受けているようで、3人とも学校に対して不満の声をあげていました。

「頭金髪でも、何も言われん方法があるがの~。というか、逆に校則で、生徒は頭を金髪にするように・・・。なんてなるかもしれん方法があるんやがの~。」

それまで、そっけない態度だった男の子も、この話には飛びついて来ました。

「そんなん、あるはずないやん。先生が嘘言うたらいかんで~。」

「嘘は言わんよ。こうすれば、ええのよ・・・・」

つづきは月曜日のお楽しみ (*^^)v

2007年4月20日 (金)

不良学生との集い(1)

私が学習塾の講師をしていたときのお話。

私の勤めていた学習塾は、大手の進学塾ではなく、中堅クラスの塾でした。そのため、生徒の層も、学校での成績でいうと中くらいの生徒がほとんど。中には、トップクラスの子供もいましたが、それは例外的なもので、逆に最下位争いを繰り広げている子供も珍しくはありませんでした。

塾は公立の学校とは違って、私企業であり、利益を追求する組織ですから、最下位争いをしている子供でも、入塾を希望すれば受け入れます。ただ、問題となるのは、成績の善し悪しではなく、素行が悪い場合です。小学生ならともかく、中学生くらいになると不良の生徒も出てきます。両親が共稼ぎも場合、学校が終わって家に一人で置いておくと何をしでかすかわからないので、塾に追いやっている・・・そういう感覚で入塾を希望される親ごさんがいるのも事実です。

ただ、こういった場合問題になるのは、他の生徒に与える影響です。言い方は悪いですが、「○○君が行っているような塾には、うちの子供は行かせたくない。」というような親の意見も出てしまいます。教える側の立場からしても、勉強を教える以前に、その不良生徒をコントロールする方に精力を吸い取られてしまいますから、授業効率も落ちてしまいます。

私の勤めていた塾の生徒数が飛躍的に伸びた時に、当然の如くそういった問題児の数が増加した時期がありました。教員会議の場で、数名の生徒の名が挙がり、塾長に対して、切り落としの要望が、各教室責任者の口から出ました。塾は学校ではありませんから、退塾の勧告もできるわけです。しかし、塾長が下した判断は、自主的にやめてもらう方向にもっていくことでした。「隔離してしまおう。友達がいない環境なら、つまらなくてやめてしまうだろう。」とのご意見。

そこで特別クラスが設置されました。表向きは、『成績不振者のための特訓コース』みたいな感じでしたが、各教室から手がつけられない超問題児が、総勢5名集められることに。

当時、私はまだ勤めて1年くらいの新人教師ではありましたが、そのクラスがどんな状況になるかは、十分想像がつきました。

「さて、誰に担当してもらうかな?このクラスを・・・」塾長が講師を見まわします。当然みんな目線を合さないようにそっぽを向いております。本気で学力の底上げを考えているなら まだしも、やめさせるための監獄クラスです、積極的にやりたがる先生がいるはずはありません。

「まあ、何事も経験だ。真衛門先生にやってもらうか。」

えぇ~~~まじっすか (T_T) あの不良連中の巣窟となるクラスに・・・

これが、彼らとの出会いのきっかけとなりました。つづきはまた明日 (*^^)v

2007年4月 4日 (水)

はみだし教師のいじめ解消法(3)

勤めていた学習塾で、塾長から注意されていたことに、私の言葉使いが荒いということがありました。生徒達に向かって、私はよく「お前ら」という呼びかけをしていたのですが、「君たち」と言いなさいとのこと・・・。英語なら「You」の一言が、「皆様・みんな・諸君・あなたがた・・・」等々、状況によって日本人は使い分けているわけですが、呼びかける言葉を頭で考えて発した言葉には、説得力はありません。心からの一言は、おのずと自然に発しているものです。

では、昨日からのつづきとなります。

教室から女子生徒が数人飛び出してきました。「先生!脇田君が壊れた!おかしくなった!」と口々に叫んでおりました。教室に足を踏み入れると、いじめた側の山根君は、尻もちをついて、床にへたりこんでいました。怪我をした様子はなかったので、まずは一安心です。そして、ちっこい脇田君は、山根君のそばに仁王立ちになって、両手を振りまわしながら、めちゃくちゃに絶叫しておりました。たぶん、生まれて初めてアドレナリンを大量放出したために、自制心がきかなくなったのでしょう^^;

「脇田!お前何やっとんじゃ!ちょっとこっち来い!」と恫喝し、私は小柄な脇田君の首根っこをつかまえて、教室から引きずり出しました。もちろん脇田君は、鳩が豆鉄砲食らったような顔で、一瞬にして興奮が冷めたようでした。そりゃあ そうですよね、やれと言った人間が、何やっとんじゃ と怒鳴り込んできて、無理やり引きずり出しているわけですから、それこそ なんのこっちゃ ですよね 本人にしてみたら。

そして、教員室まで引っ張ってきて、他の生徒がいないことを確認して、「よし、よくやった。すっきりしたか?みんな びっくりしとったぞ。」 そう言って、彼のちっちゃな右手をぎゅっと握ってあげました。

他の生徒の前で脇田君を叱らないと、彼自身の行動にならないことと、理由はどうあれ暴力は許される事ではありませんから、その点について彼の罪を、皆の前で叱り飛ばすことで払拭してやる必要があったのです。

そのあとで、すぐに山根君を呼びました。脇田君もいっしょです。「山ちゃん。お前 脇田に殴られるような事を何かやったんか?こいつが殴るなんて よっぽどの事やぞ。」 山根君はバツの悪そうな顔をしたまま もじもじしております。「まあ、ええ。今回の事は 喧嘩両成敗じゃ。二人とも握手して お互い水に流せ。」 恥ずかしそうにしながらも、握手を交わす二人。「山ちゃん。お前はスポーツ得意なんやから、運動オンチの脇田に色々教えちゃれ。脇田は、山ちゃんより勉強が得意なんやから、山ちゃんに勉強教えちゃれ。」

この事件以来、脇田君のいじめはなくなり、二人はいつもいっしょに遊んでいました。まあ、たまたまうまくいっただけの事かもしれませんが、処方はともあれ結果オーライということで^^; あぁ そうそう。子供から何で勉強しないといけないのか、と聞かれた時の答えですが私はこう言っていました。「嫌なことをどれだけ辛抱してがんばれるか。その我慢比べなんよ。我慢比べに勝った人は、みんなのできんかった事ができたっていうことで、人気者になれるんよ。」と(*^^)v

2007年4月 3日 (火)

はみだし教師のいじめ解消法(2)

塾の講師をしていて、子供たちから一番多く質問されるのは、「なんで勉強せないかんの~?遊んどったほうがたのしいやん。」というものです。それに対して、「君自身のためだよ。」とか「みんな頑張ってるから、君もがんばろうね。」などと答えるのは、私は最悪だと思っております。答えが他人事なんです、大人のきれいごとなんです。そう答えられた子供はおそらく、勉強に対してもっと興味を失うでしょうし、嫌いになると思います。そして、それを言った大人も信用されなくなります。私ならどう答えるか・・・このお話の最後に紹介したいと思います。

さて、昨日からの続きとなります。前回までは、W君・Y君と表記していたのですが、リアリティが出ないので、脇田君・山根君(仮名)表記に代えさせて頂きます^^;

脇田君に尋ねました。「からかわれて、嫌じゃないんか?腹は立たんのか?」責めるような口調でした。すると「別に気にしとらんよ・・・言わしとったらええんよ・・・。」 うなだれるようにそう答えました。もちろんその様子から、気にしてないはずはなく、現に教室にいられなくて、ここに逃げてきているわけであって、正直な答えとは思えません。その姿勢が気に入りませんでした。

「お前、男やろうが!嫌なら嫌と意思表示をせんから、相手も突け上がってくるんぞ!このままずっと負け犬みたいな人生送るんか?」と脇田君を叱っている状態になっていきました。ぐじぐじ泣き始めたので、「男のくせに こんなことぐらいで泣くな!! 今から先生の言うとおりにやれ!。」

「まず右手で握りこぶし作れ。ぎゅっと力入れて握れ。ひじを直角に曲げろ。走るときに手を振るのと同じように、ひじを後ろに引け。引いたらひじを伸ばさずに前に腕を振れ。力いっぱい振れ。」何回か練習をさせて

「いいか、教室に戻ったら、また山根が近寄ってきてからかうやろう。そしたら、だまって下を向いて近づいて行って、横を通り抜けるときに、今の練習した要領であいつの腹を思いっきり殴れ。ただし、腕を伸ばしてパンチしようとは思うな。お前の細腕で、腕を伸ばしたパンチは効かんし、まず当たらん。行け!かましてこい!」 すると

「でも、山根君が怪我したりしたらどうしよう・・・」 なんともやさしいお子様で。

「おまえのパンチで怪我なんぞせん!びっくりしてこけるのが関の山じゃ。もし、その後で、取っ組み合いの喧嘩になりそうなら、先生がすぐ止めに入ってやる。先生は廊下で様子みよるから、安心して行け。ただし、もし喧嘩になっても、絶対 手に物を持つな。武器を使うのは卑怯者ぞ。それから、万一 山根が怪我をして、相手の親が怒ってきたら、先生が全責任を負っちゃる。殴りに行けと言ったのは先生で、なんでお前が山根を殴らんといかんかったのかも説明してやる。最後までお前を守っちゃるから、思いっきりやってこい!」

意を決した脇田君は、緊張で体がぶるぶる震えていましたが、右手はぎゅっと握りしめられていました。そして数分後、教室が爆発しました。 明日につづく (*^^)v

2007年4月 2日 (月)

はみだし教師のいじめ解消法

塾の講師をしていたころ、担当教室内において、いじめが発生しました。それに対して、私が取った行動を書き記したいと思います。ただし、こういった問題は非常にデリケートな部分があり、賛否両論あるかとは思いますが、あくまでも私自身の信条に基づいての行動であり、それを正当化するつもりはございません。その点をご了解ください。

いじめられていたのは、中学3年生のW君。中学1年のころから、からかわれ始めたようですが、問題が顕著に現れ始めたのは、中3の夏ごろからです。この時期になると、中3生は受験に対してのストレスがたまり始めるころで、それがいじめを加速させる要因となっていったと思われます。

W君は、舌っ足らずなところがあり、話し方に特徴があったため、その話し方を真似されてからかわれておりました。背も小さく、華奢な体格であったこともあって、全く反抗する様子もなく一方的に攻撃を受けておりました。いじめる側の中心となっていたのは、Y君。成績はW君とどっこいどっこいで、中肉中背。クラスの中で冗談を言って皆を笑わせる人気者でありました。その笑わせる材料の一つにW君の真似をしはじめたのがいじめのきっかけとなりました。

私とW君、Y君との関係は、他の生徒よりも よく話をする ある意味でいい関係でした。ですから、Y君を普通に諭してW君をからかうのをやめさせることは、大して難しい問題ではなかったのですが、あえてその手法は取りませんでした。これは、W君にとっては重要な問題であり、自分自身の力で解決する方向に導いてあげる必要を感じておりました。

中3になるまでは、Y君がW君の真似をして クラスの皆を笑わせても、他のみんなも 苦笑いといった感じで、実際W君が嫌がっていることもわかっていたので、歯止めが効いていたようですが、受験を目前にひかえ、やるせないうっぷんが充満しはじめた教室において、それまでの「苦笑い」が「攻撃的な笑い」に転じていったのです。ですから、Y君一人を悪者にすることはできません。一対一の攻撃の場合は、いじめという問題では扱いませんが、これが一対多になることが問題なのです。

その頃になると、さすがにW君からシグナルが出始めました。授業のあいまの休み時間になると、いつも私のところにきて色々と勉強の質問をしはじめました。初めのうちは、質問も続いたのですが、そのうち質問するでもなく、休み時間を私の傍らで過ごすようになります。これは、教室内に居られないシグナルです。でも、彼の口から本来の問題について、相談してくることはありませんでした。本人の口から、相談してくれてまず問題解決の第一歩を踏み出して欲しかったのですが、それはなりませんでした。このままでは、まずい と判断した私は、ある日の休み時間 W君に問いかけました。  続きはまた明日 (*^^)v

2007年3月27日 (火)

素敵な思い出をありがとう(*^^)v

国語の点数が伸びない中・高生の方は必見?! どうすれば成績アップできるのか?

「教師失格」からの続きとなっております。はじめてお立ち寄りの方は、そちらからご参照ください。

M君 K君の成績が着実に伸びた(個人差はありますが^^;)理由は、文章を写したからです・・・って そのまんまかい。実は、絵画や彫刻などで、一流を目指す芸術大学生は、積極的に模写をします。有名な画家の描いた作品を、そっくりまねて描きとるのです。これが、本当に実力アップにつながります。嘘だと思う人は、透明なビニール袋を破いて平らにして、どら○エモンやピカ△ューの絵の上に敷いて、その上からマジックで輪郭をなぞってみてください。2~3枚ほど描けば、もう白紙の紙の上に、びっくりするほど上手に描けるようになっているはずです。

目で見た情報だけで理解したつもりになっても、実はそれは認識できるだけで、自分の物とはなっておりません。自分の手で同じものを再現できてこそ、本当の力になるのです。前回のブログで英語や国語は芸術科目と言ったのはこのことです。英文を読解できても会話が通じないと意味がありません。英語の発音も、実際に発声してまねをするところから始まります。

新聞の1面のコラムは、その新聞社で一番筆の立つ方が担当します。つまり、日本中でトップクラスに入る文筆家の書いた作品なのです。あと、実際に書き取っている間に色々な疑問がわいてきます。読めない漢字、意味不明の言葉、文章の内容について・・・それを毎日私と話をしながら解決していくわけですから、語彙力も確実に定着していきます。ただ、重要なのは毎日コツコツやるということです。30日分のコラムを半日かけて、いっきに書き取っても残念ながらそれほど力はつきません。物理的には同じ作業をこなすことになるのですが、間に時間をおくことで記憶に定着するのです。ローマは一日にしてならず・・・ですね !(^^)!

その後のお話

実はドラクエのゲームソフトは、私自身が持っておりましたので、結果が出た後で2人に「よくがんばったな。ご褒美に これやるよ。ただ、1本しかないから、2人で仲良く遊べ。」M君とK君は仲良しコンビだったので、それで許してもらおうと^^;

「ただし、成績が下がったら没収するからな。」 すると意外な答えが返ってきました

「成績上がったし、ゲームいらんよ先生。そのかわり、これからも毎日持ってきてもええかな?」 

2人は高校受験日の前日まで、毎日コラムを書き取って持ってきました。チラシの裏にやっと読めるか読めないかの書きなぐりの文章でしたが^^; そして、彼らの卒業の日にそのチラシの束のファイルをプレゼントしました。見た目は、ゴミの日に放り捨てる紙タバのようでしたが、毎回捨てられている物だと思っていたチラシが、ファイリングされていることに彼らは驚いたようで、ふてぶてしいヤンチャ坊主の顔が、くしゃくしゃになって必死で泣くのをこらえているようでした。

もちろん2人とも、志望校に合格したのは言うまでもありません。私にとって、こんな素敵な思い出を残してくれた、村井君と渡辺君に今でも感謝しております (*^^)v

2007年3月26日 (月)

いざ勝負!結果はどう出る

高校の受験勉強で、英語・社会は暗記科目。数学・理科は論理科目。じゃあ、国語は?どっちでしょう? 国語は芸術科目だと私は思います。英語も受験を離れて、英会話となると、同じく芸術科目になるとおもいます。あと、学校での中間・期末テストのように、教科書内から問題が出題される場合は、国語も暗記科目になってしまいますが、そんなもので点数を取れても、本番の受験には何の足しにもなりません。入試問題は教科書の文章は絶対に出ません。それは、学校によって採用している教科書が違うので、不平等が発生しないように、すべての教科書を調べて、そこに使用されている文章を使わないようにチェックしているからです。

M君、K君との賭けで、一番気を使ったのは、いかに続けさせるかということでした。M君はプライドの高い男の子だったので、いつも けなしておりました。「もう、無理やろ。やめてもいいんやぞ。30日続く者は そうおらんのよ。」すると、「いや、やるよ先生。無駄なことっぽいけど、ドラクエかかっとるし。成績上がらんかったら、絶対ちょうだいよ!」と言いながら、頑張っておりました。K君は、素直な男の子でしたので「おぉ、毎日がんばっとるの。毎日K君の顔が見れるだけでも、先生はうれしいぞ。明日も頼むぞ。」といった具合に、日々応援してあげていました。

模擬試験前日に、2人と約束をしました。「絶対に手を抜くなよ。すでに、お前たちは自分では気付いていないかもしれんが、とてつもなく国語力がアップしとる。わざと正解を外すこともできるやろうが、それは卑怯なことやぞ。先生も約束は守る、だから全力でぶつかれ。」すると、M君が「手は抜かんよ 先生。でも、なんも変わっとりゃせんよ。ドラクエ買うとったほうがええよ~(*^^)v」

では、結果報告。偏差値50が平均点と同じ人。偏差値60を超えると、トップクラス。彼らのいままでの国語の平均の偏差値は40ほど。つまり平均点をかなり下回る状態。これが、今回のテストでは、M君偏差値63 K君偏差値58。おめでとう!(^^)!

なんで、こんなに上がったのか。種明かしは明日のお楽しみ(*^^)v

2007年3月24日 (土)

継続は力なり!

国語の成績が ど~しようもない2人、M君とK君。成績が上がることを約束し、ドラクエを賭けたその内容とは? 昨日からの続きです。

「毎日、新聞の1面の一番下にあるコラム(朝日新聞なら『天声人語』、ご当地愛媛新聞なら『地軸』)を、その日に折り込まれていたチラシの裏に、1か月間書きとること。」

指示した内容はそれだけです。ただし、いくつかの条件を出しました。彼らは週に3日塾に通っていたのですが、日曜を除く毎日持ってくること。つまり、ため込んで書くのはダメ。まあ、塾が中学校の裏でしたから、持ってくるのは簡単なはず。もし、1日でもやらなかったら、すべてリセットで、また30日書くこと。15日やったから15日分成績が上がるものではなく、30日続けないと全く効果が出ない、と付け加えました。それから、絶対にきれいに書こうと思わないこと。読み返すものではないので、とにかく書けばよい。あと、内容でわからないことや、意味のわからない言葉・漢字があっても調べないこと。時間のむだに繋がるので、持ってきたときに私にきくこと。

最初のうちは、2人ともきれいに写してきました。そのたびに、「こんなことに時間をかけるな。受験生なんやから。最低限読めればいい。文章見ながら、手元見ずに書け。」と きれいに書いてくることをしかっておりました。

意味不明な言葉や漢字なども「先生。一応調べたんやけど、ようわからんかった。」などと言ってくるので、「だから、調べるなって言うとるやろ。大人でも意味不明な内容の時があるんやから、お前らが調べたって時間の無駄じゃ。」としかっておりました。

「先生?なんもわからんのに、ただ写すだけで、本当に成績上がるん?なんか信じられんな~」と言ってきたときは、「上がるよ。たまげるほど上がる。ただし、30日続けんと、全く意味がない。29日でもだめじゃ。魔法みたいなもんじゃ。」と、いかにもそれが当然のことであるかのように、言っておりました。

時には、時間がなくて 塾に新聞とチラシを持ってきて書いていることもありました。途中で、K君が風邪で学校を休んで、書けない日があったときは、「残念やが、1日でも休んだら効果が出んのじゃ。リセットで、また明日から30日じゃ。」と冷たく突き放しました。

そして、2人ともがんばって、まずはM君30日突破。翌週には模擬試験が控えておりました。本人は、せっかくだから試験日まで続ける、と延長戦で・・・。はたして結果はどうでるのか?来週のお楽しみ(*^^)v

2007年3月23日 (金)

教師失格?!

学習塾の講師をしていた頃のお話。この仕事が、通年でいうと一番長くしていた仕事ですね~^^; 昨日までの不動産屋から一転、次は先生モードでがんばりました。

私の勤めていた学習塾は、市内に4教室ある、中堅の塾でした。そこで教えていた科目は、国・数・理の3科目。あの事件がおきたのは、勤めてから3年目くらいで、ちょうど油の乗っていた頃。高校受験を控えた、中学三年生の子供たちを教えていた時です。

休み時間に、男の子が2人 相談に来ました。どうしても、国語の点数が伸びないので、どうすればよいか・・・という内容でした。話を聞いていて、おかしかったのは、たとえば、「抜けるような青空のした、水平線がはるか彼方に広がる真っ青な海・・・」という文章を読むと、普通の人なら 天気のいい日に海水浴場から太平洋を見た時の景色とかを思い浮かべると思いますが、その子たちいわく 「頭の中に 『空』と『海』 という漢字しか思い浮かばんよ先生」 (-.-)・・・重症患者ですな

一般的によく言われるのは、読書量の多い子供は国語が得意になる、だから本をたくさん読ませましょう・・ですが、この考え方は根本的に間違っていると私は思います。逆なんです。本をたくさん読む子供は、文章を読む行為が好きなので、必然的に国語の成績も良いだけなのです。むりやり読書を強制しても、国語の点数は上がりませんし、なにより即効性がありません。

そこで、私は2人と賭けをしました。1か月間、私の指示するある事(15~30分くらいでできること)を続けて、もし成績が上がらなかったら、欲しいものをあげよう というものでした。100点満点の国語のテストで、平均点が75点くらいのところで、彼らの成績はいつも30~40点がいいところ。私が約束したのは、1か月がんばれば、80点くらいはとれるぞ、というものでした。うまくいかなかった場合に、彼らが欲しがったのは、当時スーパーファミコンで発売されていたドラクエVでありました。

前もって言っておきますが、私は教員免許は持っておりません。もちろん、学習塾に勤めるのに免許は必要ありません、学校ではありませんから。自分自身が子供の頃よく思っていたことに、なぜ頑張る代わりに、うまくいったときの報酬を要求してはいけないのだろう?という疑問がありました。「100点取れたら○○買って~」という要求は、要求すること自体 悪いことであるような教えられ方をしてきました。ボランティアで働いている人は別として、いま我々が生活している社会というのは、勤労と報酬で成り立っていると考えます。子供に対して、「あなたの仕事は勉強すること!」と言い切るのであれば、それ相応の報酬を与えてもよいのではないかと、私は思うのですが・・・。

まあ、あたりまえですが、塾の先生が成績のことで子供と賭けをするなど、大問題なのかもしれませんが、その話は今は横に置いておいて、このあとの展開を続けたいと思います。私が彼らに指示した内容とは・・・明日につづく (*^^)v

2007年2月26日 (月)

罠はそこにある(2)

土曜日の分からの続きとなります。前回の話もご参照ください。

学校での授業の風景を思い出していただきたいのですが、大学のようにひたすら教授がしゃべりたおして終わる授業というのは、各自がその後独学で内容を理解することを前提に行われているわけで、小・中学校の授業とは、形態が異なります。基礎的な学力の向上を目指す場合は、生徒自身が内容を理解し、使いこなせるようになっているかを確認する必要があります。平たく言うと、10分説明したら、30分は練習問題をさせる・・・特に理数系の科目はこの方法が一般的です。私も、家庭教師先でこの方法をとっておりました。

例の灰皿を発見したとき、子供の反応も気になったので、さりげなく、ごく普通にききました

「これは?なんでここにあるの?」 

すると、

「先生タバコ吸うでしょう、お母さんが置いてった。」 と、自然な答えでした。

夏場だったこともあり、私の服装はカッターシャツにネクタイという軽装で、しかも胸ポケットにはタバコが押し込んでありました。それが見えていたのを子供がお母さんに言ったのか、なんともうれしい配慮でした。今思えば、教師が生徒の前で喫煙するなど御法度ですが、私が小学生の頃は、教室でふつうに先生はタバコを吸っていました。中学の時も、職員室は煙で霞んでおりました。それにお母さんが・・・という言葉に安心しきって、子供が練習問題を解いている時間に、喫煙するという形が普通になっていきました。もちろん、バカスカ吸い倒すなんてことは、しませんでしたが、毎日1~2本は吸っていたと思います。子供の部屋に行くと、いつも灰皿はきれいに洗われており、顔を会わすことはないお母さんの、心づくしとおりがたく思っておりました。

夏休みも終わり、子供の能力も以前とは比べ物にならないくらい向上したという手ごたえから、満足感にひたりながら、その報酬を受け取るべく、斡旋所に浮かれ気分で向かいました。当時の斡旋所は、授業料の50%を斡旋料でふんだくるという暴利をむさぼっておりましたが、(今はどうなのか知りませんが^^;)それでも、30日以上2時間、のべにして60時間以上教えているわけで、6万円近い収入があるはずでした。当時は、ふつうのアルバイトが時給450円の時代ですから、この金額は、学生の身分としては高額でした。

斡旋所に入るなり、

「あぁ、こちらから電話しようと思ってたところで・・・お客さんから連絡があってね・・・」

お、感謝の電話かな?引き続き教えてほしいとか・・・むふふ お礼に報酬UPだったらまいちゃうね~うほうほ・・・という私の喜びも次の瞬間、担当の方の言葉の前に、露と消えるのでした。

「相手方が、お金払わないって言うのよ。君は子供の前でタバコ吸ってたの?」

そうです、それを理由に相手方は支払いを拒否したのです。灰皿が用意されていたことや、お母さんが・・・とか説明しましたが、母親から直接許可を受けたわけではないことも確かで、取りつくしまもありませんでした。ただ、担当の方も理解してくれたのは、喫煙が毎日行われていたのに、最後の最後まで注意もなく、支払の時にクレームを付けるのは確かにおかしいとのこと。しかしながら、事実に基づいた理由で先方が支払わないのでは、斡旋所としても私に賃金を支払うことはできないとのこと。

けっきょく、1か月タダ働きのトホホな夏休みで幕を下ろしました。

教訓:物事を自分に都合よく理解すると、思わぬ落とし穴に落ちます。ビジネスは常に客観的に判断しましょう。ほら、あなたの目の前にもトホホな罠が・・・そこに

2007年2月24日 (土)

罠はそこにある

話は過去から現在にさかのぼって掲載しております。しばらくは昔の話が続きますがご容赦ください (._.)

時は昭和60年代 大学生の頃のアルバイトでのショッキングな事件。これは、後々まで私自身への戒めとして、心に刻まれた失敗談です。

学生だった私は、高額収入のアルバイトNO.1である、家庭教師の職を、斡旋所を通して探しておりました。夏休みをぶらぶら暇に過ごしたくなかったので、2~3軒のかけもちも辞さない覚悟で、やる気マンマンでした。そこに、渡りに舟とでもいいましょうか、月~土の午前中・2時間、毎日教えてくれる先生を探しているお客さんがいるとのこと。大喜びで、斡旋所の担当者と供に面接へ。

連れていかれた場所が、なんと歓楽街のど真ん中。飲み屋がひしめく場所で、正直あまり雰囲気の良い地域ではなかったのですが、偏見や先入観はだめだと、気を取り直してお母さんと面接。即決で、明日から来てほしいと話はスムーズにまとまりました。教える相手は、中学生の男の子。成績はかなりよろしくないほうでしたので、基礎からじっくりと教えることに。ただ、条件として変わっていたのが、私が訪問する時間に、家には子供しかいないので、何もお相手できませんがお願いします、というものでした。私が心配したのは、子供が逃げ出してしまって、行っても誰もいないなんてことないかな~ということでした。

しかし、そういった心配も必要なく、最初の1週間は事もなく順調に過ぎました。子供とも打ち解けてきて、夏休みのあとも引き続き契約してもらいたいな~なんて、のんきなことを考えておりました。

そして、2週間目に入ったころ、いつもどおり子供の部屋に行くと、部屋の真ん中にある小さなテーブルの上にガラス製の大きな灰皿が置いてありました。中に吸殻はなかったのですが、中学生の子供の部屋に灰皿・・・というのは、見た瞬間、心のシグナルが黄色く点滅し始めました。このシグナルを、相手(子供)に向けるのではなく、自分自身に向けていれば・・・事件の予兆がここにありました。  続きはまた明日 (*^^)v